2010年10月29日金曜日

ズニの宝石の本を出版しました。



私のズニの宝石の本がついに出版されました。Knifewing and Rainbow Man in Zuni Jewelry の書名で、ペンシルバニアのSchiffer Publishing Ltd.からです。英語の本ですが、写真はすべてカラーで180枚以上載せています。1920年代から60年代前半までのナイフウィングとレインボウマンの二つのデザインの宝石が、作者ごとに整理して写真とともに解説されています。写真は私がすべて撮りましたが、ブックデザインの素晴らしさで、これを本当に私が撮ったのかと、私自身驚いている出来となっています。
 ナイフウィングは、ズニ族の神話にある戦いの神様で、昔ズニの軍隊の盾に描かれていましたし、現在はズニ警察のエンブレムになっています。レインボウマンは、神話では、ナイフウィングの弓でした。そのデザインを1920年代終わりからさまざまな宝飾細工師が宝石に作ってきました。この本では、伝統的なデザインから、さまざまな作家が個性に富む作品を作ってきたこと、時には作家自身変化に富む作品を作ってきたことを明らかに出来たと思っています。また、今まで確認できなかった作者と作品を確認できました。写真を見るだけでも楽しめる本になっていると思います。是非手にとって見ていただければ幸いです。

2010年3月3日水曜日

Andrea Lonjoseさんのカチナの宝飾細工




昨日、ZuniのAndrea Lonjoseさんのカチナのブローチが3点着きました。New Mexico州のGallupにあるPerry Null Tradingから購入したものです。Andreaさんは、現在、ZuniのKachinaの宝飾細工では代表者の一人です。Virgil and Shirley Bennに教えを受け、Mosaic inlayの技法でKachinaを含む様々なモティーフの細工を精力的に作っています。Kachinaとは、神様であり、神様が乗り移った人であり、神様をかたどった人形でもあります。そのKachinaを初めて宝飾細工にしたのは、Teddy Weahkeeと甥のLeo Poblanoでした。Leoの義理の娘がShirley Benn,その義理の娘がAndreaになります。Leoの流れは、娘のVeronicaのみならず、Shirley BennさんをへてAndreaにまで流れていることになります。
 私の好みからすると、洗練と繊細さが目立ち、1940年代や1950年代のゆったりとしたおおらかさには欠けるようには思いますが、完成度の高い典型的な現代のZuniの宝飾細工だと思います。
 上段左側は、大きな丸まった角がありますのでMountain Sheep Kachina、右側がSky Kachina、その下がCorn Grinding Kachinaです。
 このほか、古いトルコ石のChannel inlayの腕輪と、Dan Simplicioさんの1940年代から50年代にかけての、トルコ石のNugget Workの指輪を一緒に送ってもらいました。Dan Simplicioさんの作品の鑑定法に関しては、いずれ取り上げたいと思っています。

2010年2月22日月曜日

アメリカ先住民ズニ族の宝飾細工



アメリカ先住民ズニ族の居留地に通い始めて17年になります。その間、フェティッシュとそのネックレス、更には、主としてモザイクの宝飾細工を集めてきました。
 最近は、宝飾細工の歴史の研究をし、この6月には、初めての本が、Schiffer Publishingから出版予定です。それは、一番良く作られてきたKnifewingとRainbow Manだけを取り上げ、1920年代から60年代までの作者とその作品を取り上げたものです。写真は、入稿後に入手し、したがって本には収録されない作者不詳のRainbow ManとKnifewingです。いずれもよい作品だと思っています。1940年代から1950年代にかけて作られたものです。
 現在は、2冊目の原稿を執筆中で、Hopi Bird/ThunderbirdとSun Faceを中心に、Kachinaを除く具象的なモティーフのものを収めます。引き続き、3冊目としてズニの宝飾細工の技法のうちモザイク技法を除くすべての技法に関するものの収録し、最後にKachinaの宝石を扱う予定です。